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このWEBサイトと調査について
1.国内にくらすHIV患者の数
2.HIVのイメージ~感染を知る前~
3.どのようにHIV陽性と知ったか
4.HIVの治療~通院・服薬・医療費~
5.必要な情報をどうやって得るか
6.周囲の人達との関係
7.仕事・お金・人生設計
239人のHIV陽性者が体験した調査と告知
長期療養時代の治療を考える
人とつながる社会とつながる
長期療養生活のヒント
関係団体のご紹介
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 HIV陽性者の日々の暮らしはどのようなものでしょうか? 医学の進歩によりHIVは慢性疾患に近くなったとも言われていますが、仕事や学業など社会参加は問題なくできているのでしょうか。いきがいや人生設計についてはどうなのでしょうか。

◆就労の継続と離転職
 HIV陽性者は、いわゆる働き盛りの世代の人に多いという特徴があります。「HIV陽性者の生活と社会参加に関する調査 報告書」によると、回答者の76.5%の陽性者が就労していました。仕事の内容や健康状態にもよりますが、多くの場合、HIVに感染しているからと言って直ちに仕事を辞める必要はありません。一方で、差別・偏見に対する不安から、職場でHIV陽性であることをカミングアウトすることは、まだまだハードルが高いのが実情です。病名を隠していることのストレスを感じている人も少なくありません。しかし、上司、人事部門のスタッフ、仲の良い同僚など、知っておいて欲しいと思う人だけに限定して伝えている人もいます。
 また、陽性とわかってから離転職をする人も少なくはありません。しかし、求職難の時代が続く中で、再就職や転職を目指しているのになかなか難しい状況が続いている人もいます。特に病名を告げずに就労継続や新規の求職をしている人も少なくありませんが、免疫機能障害障害枠での就職活動をする人も多くなってきました。


 

◆お金と制度利用に関する課題
 身体障害者手帳を取得することで医療費の助成制度を利用することができるのは重要でとても価値のあることです。加えて、私たちは、長期療養時代におけるお金や制度利用に関する課題がたくさんあると考えています。
 もともと経済的に不安定な人もいますし、未成年や学生で経済的自立をしていない状態で陽性とわかる人もいます。エイズ発症してはじめて陽性と知る人もいますので、緊急入院をきっかけとして経済基盤を失ってしまったという人もいます。もちろん、様々な社会保障制度、たとえば傷病手当障害年金生活保護などがあります。しかし、そういった制度の多くは申請主義といって、自分が申請することではじめて利用できるものです。また、国籍や滞在資格などによっては利用できない制度があるため、外国籍の場合にはそれぞれに事情が異なります。
 また、経済的なテーマや制度上の課題は、社会保障制度の利用に関することだけではありません。先の調査によると陽性者の年収はゼロから一千万円以上まで幅広くいました。ライフステージの変化があるときにHIVにまつわる課題が浮上する場合もあります。たとえば、ローンを組んでマンション購入する際に加入する団体生命保険、老人ホームへの入居や介護サービス利用、海外への移動などです。長期療養が可能になってから十数年がたち、今後はもっと多様な課題に直面することになるのかもしれません。多くの陽性者が高齢者となることも、日に日におおきなテーマとなってきています。

◆人生設計や将来の夢
 それでは、今後の人生はいったいどうなると考えているのでしょうか?もちろん、HIVがあってもなくても人生はいろいろです。また、10代、20代でHIV陽性と知って今後の人生をイメージするのと、60代、70代で考えるのも大きく異なることでしょう。
 私たちの調査で、「将来について何年先まで考えているか」という質問をしたところ、「まったく考えたことがない」という人が17%、1年未満が10.9%、1年〜5年がもっとも多く27.2%、5年〜10年が22.4%、10年〜20年が12.2%、20年以上が10.2%でした。
 この結果が何を意味するのか、はっきりしたことはわかりません。ただ、HIV陽性と知ったあとにつづく長期療養時代のライフプランについて、不確定な要素を感じつつも、自分なりのイメージを持ち始めている人も少なくないのではないでしょうか。



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