日本には、HIV陽性の人がいったいどれくらい暮らしているのでしょうか?また、新たに陽性とわかる人はどれくらいいて、どういう感染経路の人が多いのでしょうか?
◆HIV陽性者とわかっている人の数
厚生労働省が「エイズ動向委員会報告」注1 (API-Net:エイズ予防情報ネット)として公表しているデータによると、新たにHIV陽性だとわかる人は、このところ毎年1500人くらいです。このデータでは、病態により「HIV感染者」と「エイズ患者」注2 に分けられており、性別、感染経路、年齢層、地域別などにもなっていて、さらには累積数も出ています。しかし、地域は居住地とは限らないこと、国内外の移動や死亡数が正確に反映されていないこと等々、この報告からではわからないことがたくさんあります。それを前提に、あえておおざっぱに言うと、日本国内のHIV陽性者の数は2万5千人前後なのではないでしょうか。
これは、あくまでもHIV検査で陽性とわかっている人の数についてです。HIVは検査をしないと陽性かどうかわかりませんので、実はすでに感染しているけれども検査を受けていな人はこの数字には含まれません。
注1: HIV陽性と分かった場合、医療機関や保健所等は、法律に基づき性別や年齢、感染経路等について本人に尋ね、
国に報告することが義務づけられている。(個人情報を報告するわけでない)。これらのデータはエイズ動向委員会によって
集計され公開される。
注2: 「AIDS患者」とは、診断時に23の指標疾患のいずれかを発症している場合、「HIV感染者」は発症していない場合。
また、これらの診断区分とは別に非加熱血液製剤による感染者数が発表されている。
注3: 新規にHIV陽性とわかった人数は、エイズ動向委員会報告による新規の「AIDS患者」と「HIV感染者」を合算した数字。