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このWEBサイトと調査について
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239人のHIV陽性者が体験した調査と告知
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 日本には、HIV陽性の人がいったいどれくらい暮らしているのでしょうか?また、新たに陽性とわかる人はどれくらいいて、どういう感染経路の人が多いのでしょうか?

◆HIV陽性者とわかっている人の数

 厚生労働省が「エイズ動向委員会報告」注1 (API-Net:エイズ予防情報ネット)として公表しているデータによると、新たにHIV陽性だとわかる人は、このところ毎年1500人くらいです。このデータでは、病態により「HIV感染者」と「エイズ患者」注2 に分けられており、性別、感染経路、年齢層、地域別などにもなっていて、さらには累積数も出ています。しかし、地域は居住地とは限らないこと、国内外の移動や死亡数が正確に反映されていないこと等々、この報告からではわからないことがたくさんあります。それを前提に、あえておおざっぱに言うと、日本国内のHIV陽性者の数は2万5千人前後なのではないでしょうか。
これは、あくまでもHIV検査で陽性とわかっている人の数についてです。HIVは検査をしないと陽性かどうかわかりませんので、実はすでに感染しているけれども検査を受けていな人はこの数字には含まれません。

●新規にHIV陽性とわかった人数注3 (感染経路別) (単位:人)
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●新規の「HIV感染者」と「エイズ患者」 (単位:人)
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◆感染経路〜日本と世界〜
 HIVは血液や精液や膣分泌液といった限られた体液中に含まれているので、それらが粘膜に接触したり、直接的に注射針などで血液中に入ったりするような場合にのみ、感染する可能性があります。日常生活では考えられないくらいHIVの感染力は弱く、日本における感染経路のほとんどは、現時点ではセックスによるものです。ただし、最近では薬物に関連した感染も、割合は低いものの増えてきているようです。
 世界では、薬物使用の際の注射針の共有による感染や母子感染などが多い国々もありますし、日本でもかつてはHIVが混入した非加熱血液製剤によって多くの人が感染しました。HIVの感染経路やその背景、男女比などについては、国や地域によって大きく異なりますし、主たる感染経路の割合も時期によって変化をしていきます。ですから、マスコミなどで目にした、例えばサハラ以南のアフリカのエイズの現状をそのまま日本にあてはめて考えることはできません。今後は、日本を含む東アジア地域での感染の増加が懸念されています。

◆男性同性間での性的接触
 エイズ動向委員会の報告によるとHIV陽性者は日本では男性が圧倒的に多く、その6割以上の人が「男性同士での性的接触によって感染した」と答えていることがわかります。
 私たちの調査では、医療機関や保健所等から感染経路を尋ねられたときに「異性との性的接触によって感染した」と答えた人のうち、実際には同性との性交渉によって感染したと認識している人が約3割いました。こうした人は、陽性という結果を告知した担当者に対する評価が「高圧的だった」「責めるような感じだった」などの場合により多くなることが、この調査からわかっています。

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