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このWEBサイトと調査について
1.国内にくらすHIV患者の数
2.HIVのイメージ~感染を知る前~
3.どのようにHIV陽性と知ったか
4.HIVの治療~通院・服薬・医療費~
5.必要な情報をどうやって得るか
6.周囲の人達との関係
7.仕事・お金・人生設計
239人のHIV陽性者が体験した調査と告知
長期療養時代の治療を考える
人とつながる社会とつながる
長期療養生活のヒント
関係団体のご紹介
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 HIV陽性と分かると、それまでよりもあらたに多くの情報が必要になります。医療や服薬に関すること、福祉制度について、仕事や日常生活、人間関係、恋愛やセックスなど多岐にわたります。そういった情報をどこでどのように手に入れ、その信ぴょう性をどのように確認しているのでしょうか?

★情報収集と信ぴょう性の確認
 私たちの調査で、知識や情報をどこから得ているかを聞いたところ、「治療・服薬」「福祉情報」に関してはどちらも主治医が最多で8〜9割、次いで看護師・コーディネーターナースが約6割となっており、「福祉制度」に限ってはソーシャルワーカーも多く5割でした。しかし、陽性者向けサイト、他の陽性者、NGO・NPOもそれぞれ5〜6割強となっています。「日常生活(仕事・人間関係・恋愛・セックスなど)」については、他の陽性者、陽性者向けサイト、NGO・NPOがそれぞれ5割近くとなっており、いずれも医療従事者を上回っています。

 情報の信ぴょう性をどのように判断するかを聞いたところ、やはり「主治医に確認する」が最も多いのですが、次いで「他の陽性者に聞く」「陽性者向けサイトを見る」「複数の情報を見くらべる」「専門職向けのサイトを見る」「医師以外の医療職に聞く」と、様々な立場・観点から判断をしようとしていることがわかります。中でも、「東京以外の地域に住んでいる」「陽性とわかってから5年以内」のHIV陽性者が、インターネットやSNS(ソーシャルネットワークサービス)を通じて情報の信ぴょう性を判断している人が相対的に多いことがわかりました。


◆あらたなネットワークと情報格差
 陽性と知ってから、人間関係をせばめている人が多くいますが、その一方で、新たな関係を構築する人もいます。それまでの人生に登場してこなかった、医療従事者やNGO・NPO等の人たちとの関係だけでなく、他のHIV陽性者とあらたな人間関係を持つ人も多くなりました。ピアサポートの機会が増えたこと、多くのHIV陽性者がブログで経験を書いていること、ゲイ・バイセクシュアル男性のHIV陽性者専用のSNSを大勢が利用していることなど、特にこの数年は情報や交流の機会・選択肢が増えています。
 しかし、この調査がPCユーザー向けのWEB調査であるために限界があることにも留意が必要です。情報収集について考えるうえでは、おそらく通信機器を利用できるかどうかが要因となる情報格差が大きいでしょう。とても若かったり、高齢であったり、既婚のMSM(男性同性同士でセックスをする人)であったりするなど、HIVに関する情報収集がしにくい陽性者が少なからずいるのです。

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